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・噂のスクランブル たった数百円の値引き交渉でこじれる!?東洋情報システムの移転は白紙に

1998.10.01 11:18

 会社処理の影であまり語られないのが、倒産企業の入居していたテナントビルの行方だ。山一廃業で、何度となくTVスポットを浴びた、中央区新川の旧山一証券本社ビル、「茅場町タワー」(延床面積約7500坪)が、中堅不動産会社・秀和の所有ビルだと知るユーザーは意外と少ない。同ビルが竣工しt尚は1996年の10月。まさに市況が最悪の時で、山一の移転が決まるまでは、売却の噂まであった程。しかし、世の中は何が幸いするか分からない。山一破綻により、ぽっかり空く事となった茅場町タワーは、新築ビル品薄状態と相まって、一気に人気物件へと変貌した。当初、山一は2万8千円弱(共込み)で入居していたが、今回の募集価格は、坪2万8千円と共益費7千円と、トータルで3万5千円。なんとこの市況の悪い時期に、2割以上のアップだ。そしてこの条件に近い数字で入居を秋にも予定していたと言われるのが、三和銀行系の情報処理システム会社・東洋情報システム(本社・大阪府)だ。同社は主力のソフト開発が好調で、東京拠点として茅場町タワーに入居を決めかけていた。しかし結果的には、この話は流れてしまったが、その裏にはワンマンで知られる小林社長の独断があったと言われる。ある事情通によれば、東洋情報システム側の値引き交渉(坪5百円程度)の過程で、小林社長が相手側の言動に”切れた”のが原因だと話す。事の真相は定かでは無いが、たった数百円で、5千坪転居をふいにした小林社長。ワンマン社長の面目躍如と言ったところだが、この結末はいかに!?




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