週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

省コストにも有効な調光システム 大手ホテルを中心に導入進む

1998.12.01 15:26

コンピューターで建物全体を一括管理
 「調光」という言葉を御存じだろうか。従来の「オン」と「オフ」しかなかった照明の強さをコンピューター制御により調節するシステムのこと。省エネ、省コストの他従業員の健康上にも利点があるうえに、様々な分野に応用可能ということで注目を集めるこのシステムについて紹介する。
 調光とは小型コンピューターで電流を調整し、照明の強さを0%(オフ状態)から100%(通常状態)にまで自在に調整出来るもの、大型ビルや公共施設でも建物全体の照明を一括管理でき、手元のスイッチひとつで操作できる。
 例えばオフィスにおいては営業部の様に昼間無人になり箇所の上だけ照明を落としたり、窓に近く外光が差し込む部分は日中の照明を暗くしたりできる。
 また昼光センサーや人感センサーと連動させることにより、自動的に調節することも可能。
 数種類の照明パターンを予めインプットしておくこともでき、例えばレストランの場合、昼と夜で店の雰囲気を変えたい場合に便利だ。他にもパーティーがあった場合、ウェディングの場合など様々な舞台を演出可能なうえに、あるパターンから別のパターンへ移行するスピードも調整できるという。
 この調光システムは省エネ、電気料金の節約といった点に加え、コンピューターディスプレイに照明が反射して使用者の目に負担を与えることを防ぐことからアメリカでは広く普及しており、最大手のルートロンエレクトロイクスのシェアは55%を超え、NASAやIBM本社にも導入されている。
 国内においては同社日本法人であるルートロンアスカ(東京都港区・荒川英敏社長)が主力商品「グラフィックアイ」を中心に販路を広げており、大手ホテル等に導入が進んでいる。




週刊不動産経営編集部  YouTube