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新しいオフィスリニューアルサービス開始

1998.12.21 15:09

FJSCが富士通を新体制構築 情報系と建築等の工事を一本化
 富士通システムコンストラクション(東京都品川区・水澤進社長)は富士通の情報通信工事事業部門が10年前に分離独立し誕生した会社。コンピューター機器を核にしたネットワークシステム構築の為の工事に始まりオフィスリニューアル工事までをも手がけている。また今秋には東証二部上場も果たすなど注目株の成長企業だ。
 これまで体外的には富士通の子会社のイメージが強かった同社だが、先月18日に富士通のフィールドサポート本部と業務提携を行いオフィスリニューアルを全面的にサポートする新サービス体制をスタートさせた。富士通との一体化を図ることで、製品の提供などオーナーやテナントに向けた多方面なサービスが可能になったという。
 今回の「オフィスリニューアルサービス」が、これまで一本化が困難であった情報系と建築系の工事を企画・設計の段階から施工・維持管理に至るまでを一貫して行う。
 従来の工事ではゼネコンやサブコン、メーカーなど複数の窓口が必要であったものが一本化されたことで工期の短縮や低コスト化が可能になった。また設計中の仕様調整や工事中の変更処理などに対しても費用の発生を出来るだけ抑えるなどの柔軟な対応も可能になるという。
 「オフィスリニューアルサービス」の柱は空調や電気・照明設備・分煙化システムといった執務環境改善また構内PHSシステム構築やLANの整備といった情報インフラ構築、及びOAフロア、バリアフリー対応、居室空間構築といった建屋環境構築の3本。
 調査機関が平成8年に行ったオフィスビル入居企業に対するアンケートによれば、現在入居中のビルに不満を持っている企業は約40%。また今後回収を予定している項目の上位3つは情報ネットワーク関連、レイアウト、OA機器のスペース対策というデータが出ており、オフィスリニューアルにおいてはOA、情報機器の使用状況や使用台数、機種等を軸に考えた計画・設計が不可欠になっている。
 そういった意味では、コンピュータ会社を親会社に持ち、情報通信工事のノウハウや実績を持つ同社の様な企業が、オフィスリニューアル市場においても今後主力となってゆくことが考えられる。




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