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焼却時のダイオキシン発生を抑制 3月より販売開始 業界初となる脱塩素化を実現

2000.02.21 13:51

 2月17日、日本バイリーン(東京都千代田区)は国内初となる脱塩素化によるロールフィルタ用プレフィルタ素材「FR-585」開発し、3月から全国の代理店を通じ、本格的に販売することを発表した。
 「従来、ビルなどで使われている空調用のフィルタは、難燃性を持たせるために、塩素・窒素・アンモチン・りん系の化学物質が広く使用されています。これら化学物質は、低温焼却すると、ダイオキシンを発生してしまうという問題があります。通常、プレフィルタは一年一回が交換時期と言われ、使用済みプレフィルタは産業廃棄物として処理され、焼却するか埋立て地に使用するかのどちらかで処理されていました。当社の代理店20社を通じて調査を行った所、現在、埋立て地に使用するケースが80%程を占めていますが、今後、埋立て用地が減少していく事が予想されます。そこで、メーカーは焼却しても害のないフィルタ素材の開発が急務と言われてきたのです」取締役 第二事業部 事業部長 中山浩夫氏)
 同社の98年度のフィルタにおけるシェアは33%、フィルタメーカーとして最大手である同社は、業界に先駆けて同商品を開発した。
 「当商品は原料繊維にはポリオレフィンを使用し、また繊維表面への難燃剤にはポリブテン、リン酸エステルを用い、業界で初めて脱炭素化することに成功しました。この結果、従来品に比べ、ろ過性能、難燃性と同等の機能を有しながらも、廃棄償却時のダイオキシンの発生も抑えた環境対応型のプレフィルタと言えます」
 同商品の一平米当たりの標準価格は2000円。初年度の売上目標は8億円。3年後には10億円を見込んでいる。

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