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携帯電話等の迷惑音を防止する通信抑制装置

2000.03.06 16:48

 携帯電話やPHSの着信音・話し声が社会問題となっている。中でも劇場やコンサートホールなどにおいては、出演者が着信音に怒り出し公演を途中で止めるケースも出始めているのが現状だ。
 こうした状況に対し、建物全体を電磁バリヤで覆うなどして携帯電話を使用出来なくさせるホールも増えているが費用が高額なことに加え電磁バリヤの強さが調節出来ないなど不備な点も少なくない。
 それに対してマクロスジャパン(中央区)が開発・販売しているのが通信抑止装置「テレポーズ」だ。これは携帯電話などで使用する周波数と同じ周波数の微弱電波を発生させることで基地局からの電波を遮断し、携帯電話などを「圏外」にしてしまう装置だ。取扱いには第3級陸上特殊無線技士の資格が必要だが、100ボルト電源があればどこでも使用が可能な事に加え、特定の会社の携帯電話だけ使用出来なくさせるなど個々のケースに応じた「通信抑止空間」をつくり出すことが可能だ。
 「携帯電話各社の基地局からの距離などによって必要となる装置の数などが違うので一概には言えませんが、最低170万円からで対応可能です。また設置後に新たに基地局がつくられたりした際には装置の増設の必要が生じますが、設置後1年間は無料で増設、追加を行います」(同社常務河本浩樹氏)
 現在のところシミズホール、神戸文化ホール等に納入されている。
 また、現在は医療機器への影響が考えられることからこうした装置は劇場、コンサートホール、テレビ局などに実験的に認められているだけだが、着信音や話し声による音公害が広がっている中で図書館、映画館、美術館などへの設置許可の動きも強くなっている。
 「ここ1~2年中には多くの施設で設置が認められると思います。また携帯電話そのものの機能も急激に進化しており、画像の転送なども可能になるでしょう。そうすればコンサート会場の様子がネットを通じて世界中に配信され著作権上の問題が生じるだけでなく裁判の様子が漏れたりと人権上でも様々なトラブルになる可能性があります。今後こうした装置のニーズは必ず増してゆくでしょう。特に病院や学校においてはかなり重要になってくるのではないでしょうか」(河本氏)
 現在、大手施設等を中心に販路を拡大している最中だ。

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