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東洋プラスト 今秋に新フィルターの空気清浄機を製品化
2000.03.20 16:05
発泡緩衝材の製造を手掛ける東洋プラスト(神奈川県海老名市)は、慶応大学知的資産センター(東京都港区)から、煙や臭いを除去するフィルター技術を供与する契約を結んだ。
このフィルター技術に関しては、慶応大学の白鳥世明講師が開発した。
フィルターは有機薄膜を精密に積み重ねる技術を応用している。フィルターの表面部分の薄膜がタバコの煙や有害物質のホルムアルデヒドなどを吸着する。
このフィルターは、これら吸着物質に応じて、赤色や青色に変色し、その捕集効果、汚れが一目で分かる。
昨今、タバコの煙問題やホルムアルデヒドが原因であると言われているシックハウス症候群(シックビル症候群)、空調機内に巣食うカビやダニによるアトピーやぜんそくなど、室内空気環境への関心が高まっている。このようなニーズから、このフィルターの普及によって、さらなる室内空気環境の改善に貢献しようというのが同社の狙い。また、汚れの度合いが、色によって判別することができるため、フィルターの無駄な洗浄回数の削減も図ることも可能だ。
同社では今秋までにこのフィルターを使って空気清浄機として製品化する予定で、初年度の売上げ高は、約1億円を目標としている。また、このフィルターを使って、消臭剤や鮮度保持剤など、様々な目的に合わせた商品化を同社で検討している。