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トヨックス 輻射式冷暖房システムを展開 エアコン空調より最大30%のコストダウンを実現

2000.06.05 09:47

 富山県に本社を構える空調機器メーカー、トヨックスが展開する「輻射式」トヨックス自然暖房が、各方面からの注目を集めている。
 この「輻射式」自然暖房システムの仕組みは次の通りだ。
 特殊プラスチック製の毛細管マットレスを金属天井パネルや塗り壁に敷設。そのマットに微量の冷温水を流して、敷設各面からの輻射熱による自然冷暖房システムだ。
 これまでオフィスビル、生産工場、病院など幅広く採用されている。
 同システム発祥の地ドイツを中心にヨーロッパにおいて、1999年9月現在の施工実績は3505㎡に達する程一般化している。この実績の根拠はエアコンによる冷暖房に比べ15~30%以上の運転コストの低減が見込めることと、冷暖房病から解放する健康快適性の高さである。
 日本でも2000年3月時点で7件の完工、5件の施工が決定している。
 その第1号は渋谷のSANKYO新東京本社ビル。その他にも大学、福祉施設、研究施設等で現在稼働中だ。
 「このシステムの心臓部は毛細管チューブと金具のフィティング技術にあります。当社は37年にわたりホースチューブの成型と金具のフィティング技術の開発を手掛けてきました。これらのノウハウを十分活かし、提携先であるドイツ、ニッケル社同様10年の耐久保証期間を実現しています」(トヨックス)
 これまで日本における自然冷暖房の市場拡大をさまたげていた輸入部材によるコスト高の解消を目指し、98年6月から天井輻射パネルの国産化も開始している。
 「当社で独自開発した『低温水健康床暖房』とセットで真に安らげる健康快適住空間を提案していきたいと考えております」(トヨックス)




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