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労働省 建設現場におけるシックビルの調査開始
2000.08.28 15:00
建材等に含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質による健康障害、いわゆる「シックハウス症候群」が問題になっているが労働省は来月よりビルやマンションの内装工事をはじめとする建設工事現場におけるシックハウス症候群の実態調査を行うことになった。
従来のシックハウス問題に関しては、建物完成後における入居者の健康被害がクローズアップされてきたが、建設現場の作業員が工事中に化学物質を吸入して頭痛・めまい、吐気などをもよおすことも少なくないという。
これまで、建設現場内においては有機溶剤等に関しての濃度指針はあったが、ホルムアルデヒドに代表される建材内に含まれる化学物質については規制がなく、事実上野ばなしの状態になっていたのが現状だという。
「今後の調査の結果によっては、厚生省が出した空室のホルムアルデヒド濃度に関する指針の様に建設現場においてもある程度の規制をかけることも想定しています」(同省)
これにより、作業員の安全・健康を確保するだけでなく建設現場周辺住民への影響の軽減、そして完成後の建物についての安全性の向上が同時に図られるものと期待される。