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五洋建設 既設構造物直下の液状化対策が可能に

2000.12.18 16:24

 五洋建設(東京都文京区)は、運輸省港湾技術研究所と共同で、地震時に発生する地盤の液状化に対する課題点を克服した液状化対策工法「浸透固化処理工法」を開発した。
 同社がこの度開発した工法は、液状化が予想される地盤に固化薬液を注入し、広く浸透させ子決させることによって、構造物の基礎地盤の強度を増加させることができる。
 同工法は、昨年はじめて東京国際空港の滑走路直下で施工するとともに、これまでの工法では困難であった護岸の直下や橋脚基礎の下でも施工するなど、既に8件の実績を持つ。また、地盤内に設備や配管などがある場合でも適用することができる。
 全国で地震活動が活発化している現在、新設される構造物の耐震基準が大幅に改訂され、地震時に発生する地盤の液状化に対応できる様々な地盤改良工法が採用されているものの、多くの問題が指摘されていた。その問題とは、改良したい地盤の上に構造物がある場合、その地盤改良が充分できない、薬液注入による改良の場合、恒久的に必要な強度を確保できない、機械大型であるため、施工や搬出入の際ある程度のスペースが必要となるなどである。同工法はこれら3つの問題点をクリアしている。
 臨海部の既設商業ビルやマンションなどの液状化対策工法としても有効であることから、同社ではこれら需要先に向け積極的に提案を図っていくと言う。




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