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<トピックス>大林組の「3Q-wall」 従来比半額の新耐震補強工法を実用化

2001.09.10 16:10

 大林組(港区)は、特製のプレキャストブロックを用いることで、従来工法と同じ強度を有しながら半分の工期で、尚かつ居ながらに施工できる耐震補強工法「3Q-wall」の開発・実用化に成功した。既に甲南女子大学など2件の工事において用いているという。
 既存建物の耐震性強化方法としては耐震壁の設置があるが、新たに壁を構築するにしても、既存の壁を厚くするにしても、鉄筋の組み立て、型枠の設置などの工程における騒音・振動の発生が大きな問題になっていた。
 またコンクリートの打設時にはポンプ車の配置など、大掛かりな設備を必要とする為、ビルの営業時間内の施工が困難で、特に病院や商業施設は休日が無い為に出来ないケースもあった。
 こうした点に対し、大林組ではプレキャストコンクリートブロックを鉄筋の組み立てに合わせて積上げ、内部に高強度グラウトを充填するだけで耐震壁を構築する事が可能な工法を開発した。
 従来工法と異なり、コンクリートを打設する必要が無い為、騒音・振動が発生しないのが大きな特徴になっている。また工事に際して退去をする必要も無くなる。
 更に、プレキャストコンクリートブロックは大量生産による価格の低減が期待できるので、今後同工法が普及してゆけば、現在(従来工費の半額程度)より更に安い工事価格を実現出来る。
 同社としては、同工法を休日の少なく、静かな環境の保持が望まれる学校・医療施設・商業施設・福祉施設などを中心に提案してゆく予定だという。




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