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日本版REITがいよいよスタート 三井系・三菱地所系の2投信が東証に上場
2001.09.17 15:30
賃貸オフィスビルなどを運用対象とする不動産投資信託(日本版REIT)が今月10日、東京証券所に初めて上場した。金融市場が低迷を続ける中、ミドルリスク、ミドルリターンの金融商品として期待を集めている。
この日、上場されたのは、三井不動産系の「日本ビルファンド投資法人」と、三菱地所系の「ジャパンリアルエステイト投資法人」の2投信。株式相場が急落する中での厳しい船出となったが、初日の終値は、三井系の「日本ビルファンド投資法人」が公募価格を割り込む一方、三菱地所系の「ジャパンリアルエステイト投資法人」は上回った。
日本ビルファンド投資法人の募集価格は、62万5000円で初日の終値は9000円低い61万6000円、ジャパンリアルエステイト投資法人は、52万5000円の募集価格のところ、終値54万5000円という結果となった。
不動産投資信託(日本版REIT)は、幅広い投資家から集めた資金をオフィスビルや賃貸マンションなど複数の不動産物件に投資し、その賃料収入や売却益を配当として支払う金融商品。アメリカでは既に定着した市場となっており、時価総額は18兆円程度となっている。日本では11月に投資信託改正法により運用が可能となった。東京証券取引所が開設した専門市場に上場することにより、投資家は、「投資口」と呼ぶ株式の形で不動産の小口所有権を自由に売買することが可能だ。
少額でも不動産投資が可能となる上、流通性も高い商品で超低金利時代と言われている現在、4%前後の高利回りが見込まれることから同投信への期待を高めている。
上場した不動産投信は投資家保護のため、ファンドに組み込まれる不動産物件の情報開示が義務付けられるため、不透明な点が指摘されている日本の不動産市場の透明化にも効果を発揮するものとしても注目されている。