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大林・三菱重工の共同開発 高層物件用流体式制電装置 流体式制振装置の新タイプとして開発
2001.11.19 10:20
大林組(港区)と三菱工業(千代田区)は超高層物件用の流体式制振装置を開発、実用化した。
これは既に実用化している流体式制振装置の「MOVICS」の新タイプとして開発されたもの。この「MOVICS」とは防災用水などの目的で建物に設けられる水槽に、制振機能を付加した水槽を設置し、建物の揺れや振動を抑制するもの。水槽内の流れを建物の揺れや振動に同調させることで、大きな揺れから小さな揺れまで減衰することが可能になるという。
今回開発された新タイプは、高層化により、振動の周期が長期化する傾向にある建物向けのもので、水槽の立ち上がり部の開口面積を変えることで、建物毎に異なる水平二方向の固有周期に同調させる。また、周期調整機構の簡略化により、価格についても従来の半分程度に抑えることが可能になったという。
また、最近では災害発生に備えて、ビルに空調機用の冷却水や防災用水を確保するケースが増えているが、同装置は防災水槽との兼用が可能な為、建設費の増加抑止、維持管理の簡略化などのメリットが生じることになる。
同装置は住友不動産らによる「芝公園タワー・ラ・トゥール芝公園Ⅱ」に用いられている他、「キャノン販売品川本社ビル」でも適用が予定されている。