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三鬼商事 都心5区平均空室率2年ぶりに5%台を記録 今年3月末時点三鬼商事が発表
2002.05.06 14:39
オフィス仲介大手の三鬼商事(中央区)は、3月末時点の都心5区オフィスビル平均空室率及び平均賃料を発表した。
それによれば、3月末時点の平均空室率は、前月に比べ0・21%悪化し、5・00%となった。
同空室率が5%台になったのは2年ぶりのこと。大手企業のリストラに伴う統廃合の動きや今後の新規供給に向けた解約予告が相次いだことで大型既存ビルの募集面積が約1万7000坪増加したのが大きな要因となっている。
区別では千代田区が4・08%と最も状況が良く、以下港区(4・96%)、渋谷区(5・54%)、中央区(5・65%)、新宿区(5・74%)と続く。
前月比でみると千代田区、中央区、新宿区の3区が上昇、港区、渋谷区の2区が下げている。
特に新宿区ではここ4カ月の間に空室率が2%近く上昇しており、市況の悪化が深刻になっている。
一方、平均賃料は1万9837円で前年同月比で0・66%(130円)上昇した。しかし、前年末比では0・81%(161円)下げており、堅調だった賃料相場がやや弱含みになって来ていると同社では分析している。テナント企業の経費削減に対する要求が厳しい為、主に高額賃料ビルにおいて募集条件を見直すケースが増えてきている。
ビルの築年数別では、新築ビルは2万312円で前年同月比7・41%(1952円)の上昇となっている。大型新築ビルのオフィス需要は依然として旺盛であり、引き合いは多いが、テナント企業のコスト意識には厳しさが出ており、成約までには時間がかかるビルが増えてきている。
一方、大型既存ビルは1万9627円で前年同月比0・42%(83円)上げに留まった。