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竹中工務店など4者が共同で開発 自己圧着型のPCaブレース構法を開発 2割のコストダウンを実現

2002.11.04 14:26

 ビルの壁面耐震補強工事には騒音や振動はつきものであり、今まではテナントが入居しながらの工事が不可能であった。しかし、現在これらの問題点を解決できる画期的な工事方法を竹中工務店等4者が共同で開発した。
 竹中工務店が京都大学建築学科渡邊史夫教授、ナガイ設計事務所、ダイワなどと共同で新しい耐震補強工法である「自己圧着型PCaブレース構法」を開発した。
 現在の鉄筋コンクリート建造物の壁面耐震補強には、耐震壁の新設や増打、鉄骨ブレース工法などが一般的であるが、壁の新設・増打は建物に閉塞感を与える。
 また従来のブレース工法ではアンカー工事が必要なため激しい振動・騒音が発生するという問題点があった。同社が今回発表した構法ではこれらの点が改善されている。
 4分割されたPCa高強度コンクリート部材で構成されたピースをナットで定着し一体化させたX字型のブレースを地組みした後、脚部ブレース材のPC鋼棒にプレストレスカを導入し皿バネを縮ませ、その後隙間にモルタルを圧入する。モルタルが硬化した後は、プレストレスカを解放し、ブレース材が元の長さに戻ろうとする力を周辺の柱・梁フレームが拘束することで、ブレースに自己圧着力が生じて周辺フレームと一体化する。この周辺圧着力がブレースを壁面に直接接合させアンカー不要の工法を実現しているのである。
 この構法のメリットは、工場での組み立てが中心になるので、振動や騒音の発生を抑えることが出来ると同時にブレース周囲の鉄骨枠の取り付けやアンカー工事が必要ないため、鉄骨ブレース構法と比べ約2割のコストダウンを可能としている点などが挙げられる。
 現在、大阪府守口市の「守口橋波ビル」耐震改修補強工事でこの工事を実用しており、同社では今後、新築工事にもこの工法を採用普及を図っていきたいとしている。




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