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竹中工務店 省スペース・省コストを実現建物密集地の免震改修に弾み 免震用ダンパーが大臣認定取得 粘弾性タイプとして国内初の実用化
2003.10.20 16:54
竹中工務店は昭和電線電纜と共同で、従来品に比べ、格段に気温変動の影響を受けにくく、ローコスト、省スペースで変位(横揺れ)を抑制できる「変位抑制粘弾性ダンパー」を開発し、国土交通大臣の認定を取得した。
通常の免震建物は地震時の変位が40cm程になるが、都市部の密集地域では、それだけの間隔を確保することが困難な場合も多いという。また、従来のダンパーでは設置場所の確保が困難で、駐車場に設置する場合などでも開口部が塞がれるなど、コンパクトな免震システムが求められていた。
このシステムは、イソプレン系の新開発ゴムを採用することで、気温変化による能力の低下を従来の半分以下に抑え、粘弾性ダンパーとしては国内初の大臣認定を取得。ピストンにオイルを封入したオイルダンパーに比べてコンパクトで、低価格なシステムの構築を可能にしている。
同社では、今後もこの免震システムをはじめ、既存建物の老朽化を「魅力再生」する取り組みに注力しており、テナントビルに向けて積極的に改修の提案を行っていく。