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大成建設 アンカーレス耐震補強構法を開発・実用化 施工時の建物への影響微少 オフィスビル工事に最適
2004.06.14 16:14
大成建設(東京都新宿区)は、耐震補強構法「アンカーレス耐震補強構法」を開発・実用化した。
これまで既存の鉄筋コンクリート造建物や鉄骨鉄筋コンクリート造建物において、一般的な耐震補強工法だった「あと施工アンカー工法」は、新規に設置する鉄骨ブレースやRC耐震壁などの耐震補強部材と既存の躯体とを接合する目的で、躯体に多数のアンカーを設置している。
しかし、この施工時におけるアンカー用の穴を開ける音や振動、そしてコンクリートの粉塵などの発生は建物使用者に大きな影響を与えるため、耐震補強の実施を妨げる要因にもなっていた。
今回開発された構法は補強部材と躯体の接合にアンカーを用いず、接合部には市販のグラウト材を充填し、地震時の横にゆれる力を補強部材に伝えて地震力に耐える構法のため、騒音・振動・粉塵の発生がほとんど無く、使用しながらのオフィスビルなどの耐震工事に適したものになっている。
またアンカー工事が不要なため、一箇所当たり、2割程度の工費削減が可能で、工期も短縮される。