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東誠不動産 再生支援でDIPファイナンスを実施 銀座ウォールビルを89億円で購入
2005.07.11 16:25
東誠不動産(東京都千代田区)は、再生支援中の東京温泉(民事再生法申請)の債権者集会において、再生計画が確定するまでの事業資金の融資(DIPファイナンス)に応じることと、同社所有の賃貸ビル「銀座ウォールビル」の売買契約を締結した。
当初は「事業継続型再生」を目的としていたことから、再生債務者である東京温泉の株主となって支援することも視野に入れ、グループ子会社のイカロス・キャピタルが「銀座ウォールビル」の債権者である横浜銀行から債権全額と根抵当権の譲渡を受けていた。しかし、結果的に再生計画の内容が、「銀座ウォールビル」の売却による「清算型再生」への変更を余儀なくされたことに伴い、同社の再生を継続的に支援する立場から東誠グループが、上位担保権者の要求に応じDIPファイナンスを提供したことで、同社の破産が回避された。
なお、銀座ウォールビルは地下4階付地上12階建、延4678・07坪の事務所・店舗・共同住宅の複合型ビル。89億円で売買されることになったが、引渡し期限を19年3月まで猶予することで、債務者が会社清算を行うまでの事業継続が可能となり、一般債権者にも有利な配当が可能になった。