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<ビル経営効率化への挑戦>興和不動産 約40棟を群管理するセンターを開設 ネットカメラ等活用しシステム構築

2005.12.12 10:53

 ビルを複数運営・管理する不動産会社では、ビル運営の効率化を目的に、群管理に取り組んでいる。ここでは、先端の群管理に取り組む興和不動産の例を見ていこう。
 興和不動産(東京都港区)では、今年2月に竣工した「赤坂インターシティ」のオープンに合わせて、IT技術を駆使した群管理センターを開設した。
 センターは近未来的造りで、ガラス製の壁面や机にコンピューターの画面が表示される。操作は、専用ペンでタッチするだけのシンプルなもので、PCはノートが一台あるだけだ。「竣工の4年前から本格的に群管理システムの構築をスタートさせましたが、ユビキタスを大きなテーマとしていましたので、できるだけシンプルにデザインしました」(小松氏)
 ロンワークスなどを活用したオープンネットワークを構築。インターネットVPN網によって各地のビル監視システムに接続している。現在、23棟が機械的につながっており、PCを通じてどこからでも遠隔管理が可能だ。設備が古く機械的に接続が難しいビルには、管理目的でネットワークカメラを設置。集中管理盤や主要出入口の映像を監視することで集中管理を行う。
 「カメラによる管理物件を含めると四十数棟の物件を遠隔管理しています。管理ビルは完全に無人化するのではなく、夜間無人化や、巡回によるエリア管理を併用しています」(小松氏)
 また、システムには設備運用のデータベース構築の目的もある。蓄積したデータは、予防保全やBEMSによる省エネ対策に活かす。今後は、同社が管理・運営する60棟弱の物件へ導入し、管理受託にも活かしていく。




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