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リブコム 東京サイトプロジェクト「マドビル」竣工 市松模様に配された窓 新コンセプト商業ビル

2006.05.01 10:17

 世田谷区用賀3丁目でリブコム(東京都目黒区)が開発していた「MB」(マドビル)が竣工し、内覧会を兼ねたレセプションが開催された。
 このビルは、マドビルの名前の通り、外壁には『市松模様』状に複数の窓が並ぶ特徴的な外観を持つ。設計は、建築家の塚本由晴氏と貝島桃代氏が設立したアトリエ・ワン(東京都新宿区)が手掛けている。塚本氏はビル設計のコンセプトを次のように語った。
 「計画地は住居地域に突き出た商業地域で、道路が二股に分かれる先端に位置するため、周囲には集合住宅などの多くの窓に取り囲まれていました。そこから『窓』を主要なデザイン要素とすることを発想しました」
 最近の商業ビルに多いガラス張りのビルにしたくなかったという。建物は日影規制をクリアする最大規模の形状を起点として、エントランスや機械室、建物に3ヶ所ある出入口などのため必要に応じて削り取った。塚本氏は「自然に削られる岩のような感じで変化していった」と振り返る。
 建物の規模は地下1階地上3階、延床面積574・67㎡で、鉄筋コンクリート造。用途は店舗であり、1・2階および地下には飲食店、美容室等の商業テナント、3階にはデザイナー・クリエーター等のオフィス利用などを想定し、現在坪当たり1万6000円からの賃料でテナントを募集している。
 なお、このビルはリブコムを中心に建築家やアートディレクター、編集者、クリエイティブディレクターなどが参画して、地域のライフスタイルや文化を活かした開発を目指してスタートさせた「東京サイトプロジェクト」の案件。本物件でもアーティストの東恩納裕一氏の作品をエントランスに使用するなど芸術家とのコラボレーションが図られた。




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