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<事業戦略>A.I.キャピタル 海外投資家と共同で不動産ファンド組成 病院のオフバランスなど事業分野の証券化を拡大

2006.09.11 14:33

 不動産証券化アレンジなどを手掛けるA・I・キャピタル(大阪市北区)は先月末、海外投資家と共同で不動産ファンド「アールエーインベストメント」を組成した。大阪、札幌所在のオフィスビル、レジデンス3棟を組入れ、2~3年で300億円~500億円の規模まで拡大するという。
 同社は、証券化アレンジメントにとどまらず、自社単独および共同での不動産開発、分譲なども手掛けるなど、不動産・金融に関る広範な事業を展開する企業だ。複数のファンドへの仲介実績を評価され、今回のファンド組成につながった。
 「当社の強みは金融、不動産、商社など出身の人材によるネットワークの広さです。市場に出る前の情報を仕入れ、迅速な判断で収益物件を確保します」(代表取締役社長執行役員 八尾浩氏)
 新ファンドは、オフィス6割、レジデンス2割、駐車場2割を組入れる予定。駐車場は、既に自走式の駐車場(415台)を札幌駅近接に建設中。地元の業者にマスターリースを依頼し、ファンドに組み入れる。
 また、同社では数年前から病院の証券化に着手、3年以内に10ヶ所、5000床を目処に、500億円規模のファンドを組成し、病院専門REITとして上場する方針だ。
 「病院のオフバランス化を推進することで、病院はコア業務である医療に集中することができます。今後は、新規開発案件に関しても、資金調達から流動化をアレンジしていきたいと考えています」(八尾氏)
 なお、同社では不動産証券化だけではなく、病院の診療報酬債権の流動化など、事業證券化の領域でも事業分野を拡大。病院分野など独自性を打ち出していくという。




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