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<新事業戦略>アゼル 不動産ソリューション部を新設 既存ビルのリノベーションなど様々な角度から収益物件を開発
2007.01.15 17:35
今年50周年を迎えるマンションデベロッパーのアゼル(東京都大田区)は、昨年12月に不動産ソリューション部を新設し、商業施設やオフィスビルなど新規マーケットの開拓を開始した。今月1日付けで、不動産ソリューション部長に日本ランディック出身の武内小二郎氏を招聘し、収益物件の開発に向けた土地仕入れを本格化していく。
同社は建築請負業からスタートし、昭和51年にマンション建設分譲事業を開始。これまで580棟、2万6584戸のマンションを分譲・販売している。また、リゾートホテル事業やグループ子会社でマンション管理、レジャー事業としてパチンコホール経営も展開している。グループで設計・施工からマンション販売・管理まで一貫体制で行えるのが強みだ。
「当社には年間3000件以上の用地情報が寄せられますが、事業化しているのはそのうち14、5件に過ぎません。これは、これまでファミリータイプ以外のマンションに取り組んでこなかったため条件が非常に限定されてしまっていたからです。新事業部では、得られた用地および既存ビルの売却情報を基に、様々な角度から最適な活用・再生方法を検討することで、収益不動産の開発を行います」(武内氏)
開発した収益不動産は自社保有の他、不動産ファンドやREITへの売却も検討。将来的にはファンドの組成も視野に入れている。当初首都圏を中心に展開し、支店のある大阪地区などでも物件取得を進める予定だ。また、自社物件だけでなく、地主や企業保有地の開発代行も行う。
「これまでオフィスビルや公共施設開発も建築請負として手掛けているため、多様な不動産開発に関するノウハウを有しており、建築を含めた『一貫体制』を活かした展開を行っていきます」(武内氏)