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<世界企業の投資戦略>ラサールインベストマネージメント 「不動産投資戦略2007」の概要を発表 投資リターン維持には投資領域の拡大が必要

2007.03.12 17:24

 ラサールインベストマネージメント(本社:イリノイ州シカゴ)は、3月6日、今年度の展望をまとめたレポート「不動産投資戦略2007」の概要を発表した。
 レポートによると、世界の不動産証券化市場は06年末時点で8500億ドルに達し、投資資金は引き続き不動産に流入することが予測される。これによってアジア太平洋地域全体にわたりキャップレート(還元利回り)が引き下げられており、一部の市場では賃料の伸びが不動産価値の伸びを上回っているために期待利回りが上昇し始めた。日本では低コストの借入により投資機会が広がっているが、アジアのその他の国では借入コストと期待利回りの差は大幅に縮小している。
 アジア太平洋地域投資戦略・リサーチ部門統括のデイビッド・エドワーズ氏は、「07年は、主要市場の優良物件に対しては、さらなるキャップレートが低下する『イールド・コンプレッション』によるリターン獲得を期待すべきではなく、賃貸条件の変更や開発、あるいは投資市場の選択、領域の拡大による収入の獲得を目指すべきです」と述べている。
拡大すべき投資対象としては、貿易の拡大で需要が見込まれる物流センターや日本における大型ショッピングセンターなど新しいタイプの不動産物件、一部の市場での不動産開発、プライベートエクイティ型の投資、発展途上国を含む国際投資だという。
なお、同社が注目する新興市場はブラジル、トルコ、インドである。




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