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<不動産活用新手法>SITYビル 市村製作所と共同で150戸の賃貸住宅を着工 札幌では珍しいLLCによる開発 満室想定賃料保証付で売却も視野

2007.04.23 11:02

 学校用家具の製造を行う市村製作所(札幌市白石区)と賃貸住宅の管理を行うSITYビル(札幌市中央区)は昨年6月、LLC(有限責任事業会社)となるROSESITYを設立、賃貸マンション「(仮称)東札幌5条3丁目MS」の開発を開始した。SPC(特定目的会社)ではなく、札幌でのLLCによる開発は珍しい。
 「今回の開発は市村製作所の本社機能を江別市工場へ移転することに伴い、実施するものです。近隣に大型商業施設、数棟の分譲マンションの開発計画が進行していることから、賃貸住宅の需要拡大が期待できると判断し、地域でも大型の賃貸住宅を開発することになりました」(取締役会長小川昭夫氏)
 敷地面積は2134・95㎡で、地下鉄東西線「東札幌」駅徒歩6分に立地。建物の規模は、地上15階建ての鉄筋コンクリート造となる。間取りは1LDK(2タイプ)、2LDK(1タイプ)の合計3タイプとなり、総戸数は150戸。駐車場は土地柄、車利用の多さを加味し83台分を確保しており、利用者が少ない場合には外部への貸し出しも計画している。今年10月にはタイプ別に見学できるモデルルームをオープンする見込みだ。今年2月に着工し、竣工は来年3月の予定である。
 「家賃設定は開発ラッシュによる市場競争激化を考え、入居者の確実な確保がきる水準を考えています。具体的には、1LDKで坪約5700円〜6800円、2LDKで坪約4700円〜5300円と無理のない料金体系にする予定です」(代表取締役小川義明氏)
 なお、売却も視野に入れており、価格は16億円程度を想定。グロスで利回りは8%。引き渡し時に満室想定賃料と共益費を保証する。




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