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<新事業戦略>大光ビルサービス エクセルで施設情報を管理するシステム ビルごとの危機管理マニュアルも作成
2007.05.14 17:39
ビル管理会社の大光ビルサービス(東京都中央区)は、施設管理の高効率化および高品質化を実現するために「DBSトータル・ファシリティマネジメント・システム(以下TFMS)」を開発した。
従来の施設管理ツールは、CADシステムなど操作に専門知識が必要なものが多かったが、TFMSは、ビルオーナーや管理者などが施設情報を書き込みやすいようにマイクロソフト社のエクセルでシステムを構築している。
「管理ツールは継続的に利用されなければ意味がありません。しかし、一般的な施設管理システムは、専用ソフトとして独自操作を覚える必要があり、操作方法を習得した担当者が移動および退職してしまうと、継続利用がなされなくなってしまうということがありました。TFMSはエクセルベースで開発を行うことで、一般的なパソコンスキルしかない方にも利用しやすいシステムとしました」(代表取締役社長小川裕正氏)
TFMSは、マップ、建物一覧、施設利用状況図、構築物管理台帳、設備機器台帳、設備機器運転マニュアル、備品管理台帳、危機管理マニュアル、工事予定表、設計図書管理規定などで構成される。マップ上に表示された施設や区画、設備などをクリックすると、機器名から性能、導入年月日、購入価格、償却年数など利用状況を把握することが可能だ。新しい設備を導入した際も、エクセルの操作でデータを更新できる。
なお、TFMSは総合管理サービスの新メニューとして展開。ビルごとに設計図書など紙で保存されている書類のデータ化を進め、施設情報をデジタル化する。その際には、関連会社で防災コンサルティング業務を展開しているアップロードによる危機管理マニュアル作成サービスの提供も可能だ。
「災害時の心得的な防災マニュアルとは異なり、実際の災害時に、誰がどのように行動するのかなどのプランニングを行います」(小川氏)
同社が作成する危機管理マニュアルは、電力供給が停止した際の水道の利用方法や、機器の操作方法など、誰が見ても理解できるような平易な表現でのマニュアル作成を心がける。設備更新によるデータの更新管理なども行う。
なおTFMS導入に要する費用は、施設の規模、収録設備点数、設計図書などデータ化する紙ベースの資料点数によって異なるが、一般的なCADシステムに比べて半額以下。収録点数が少なくなる中小規模のビルなら管理料金内で吸収することも可能だ。