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<新事業戦略>有楽土地 新規ビル開発事業を積極展開 3年間で約500億円を投資証券化、ファンド活用も視野
2007.05.28 10:38
有楽土地(東京都中央区)は、今月14日に発表した中期経営計画において、開発型ビル事業を積極的に展開することを表明した。
「これまでのビル事業では保有を前提としていましたが、今後は、売却および証券化などを前提に土地を取得し、ビルを開発していきます」(ビル事業部企画推進室室長蓮井英永氏)
同社は、昭和28年の創業より住宅開発を中心に事業を展開し、最近10年はビル開発を行っていなかったが、投資家などの旺盛な不動産取得ニーズを背景に、ビル開発事業の拡大に乗り出す。今後3年間で500億円を投じ、東京・大阪・名古屋を中心とする都心部で新規プロジェクトに着手する方針だ。
「まずは都心部中心のポートフォリオ構築を考えていますが、支店を置くエリア内の優良物件であれば取得を考えます。オフィス物件に限らず、商業ビルも手掛けていきたいと考えています」(蓮井氏)
現在、土地やビルの取得はビル事業部で行っているが、6月の株主総会で決定後は編成を改め、新規物件を専門に扱うビル開発部が発足する。
また、開発した物件は不動産証券化やファンドを活用しての運用も視野に入れているという。また、今回発表した中経では、20年程前より手掛けている法人向単身赴任者賃貸マンション「コンフォート」の収益力強化も発表している。
「当初約9割を維持していた入居率が、現在、8割程度に低下しています。サービス品質の向上と共に、営業部員を増員し、収益力を強化していく方針です」(蓮井氏)