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森ビル 上海環球金融中心90階に制振装置を設置制振装置 強風時の重力を約40%軽減中国ではじめての導入事例

2007.06.11 17:33

 森ビル(東京都港区)などが出資している上海環球金融中心有限公司は、中国・上海市浦東新区陸家嘴地区に建設中の地上101階建て、高さ492mの超高層複合ビルプロジェクト「上海環球金融中心」の90階に制振装置を2基設置した。
 同ビルは、オフィス、ホテル、展望施設、カンファレンス施設、商業施設等から構成される複合超高層建築。現在地上93階(395m)まで達しており、2008年春に竣工する予定だ。
 制振装置は、建物固有の周期に同調させた振動体(重り)を中心部に持ち、強風発生時には建物の揺れをセンサーで感知し、振動体の動きを駆動部で制御することで、風による建物の揺れを抑える仕組み。三菱重工業が開発した。振動体は、装置下部(駆動部)のモーターによって動かす。駆動部は縦横いずれの方向にも動くように設計されているため、360度どの方向へも制御可能だ。
 この装置の導入によって、強風時に建物に加わる加速度(重力)を40%程度軽減することができる。大型台風が来襲しても、建物内部の居住者が揺れを感じることは、ごく僅かになるという。同様の制振装置は、これまでにも世界各地の超高層建物で導入されているが、中国本土での導入事例は初めてとなる。

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