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新宿コマ劇場 昭和歌謡の象徴が12月末で閉館 跡地は東宝所有地と一体再開発事業に
2008.06.02 16:24
新宿区歌舞伎町にある「新宿コマ劇場」を運営する、コマ・スタジアム(東京都新宿区)は、今年12月末日をもって同劇場を閉館することを発表した。
同社は以前から協議中であった東宝(東京都千代田区)との新宿区歌舞伎町再開発事業について合意、同社所有の「新宿コマ劇場」の閉館を決定した。同劇場の土地と、隣接する「新宿東宝会館」の土地・建物を東宝が所有しており、コマ・スタジアムは借地権を有していた。
今回、コマ・スタジアムが「新宿コマ劇場」を含む一帯の土地の有効活用に合意する形となった。同社では、再開発事業の推進に関わる撤去費および建設費用等を含む事業資金について、東宝に全面的な支援を要請する。
新宿コマ劇場は昭和31年に竣工して以降、美空ひばりや北島三郎をはじめ多くの座長公演を行い、本格的な円形舞台を持つ歌謡・芝居劇場として、昭和の新宿を象徴する建物であった。ピーク時には年間100万人を超える動員も見せた。
しかし、竣工より51年が経過した劇場施設の老朽化が顕著となり、また同社の興業による演歌公演の観客動員も減少傾向にあって、2期連続で損失を計上していた。今後の興業成績の見通しも不透明のため、今年いっぱいでの閉館となった。