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清水建設/ほか 採光システムの省エネ効果を向上ビルオーナー中心に拡販を図る
2008.07.07 17:29
清水建設(東京都港区)とヨコタ(東京都台東区)は、共同開発した採光システム「グラデーションブラインド」の制御機構を刷新。省エネ効果をより高めている。今後は、同製品の採光性と環境性を最大限に活用し、ビルオーナーらへ積極的に採用提案していく方針である。
同製品は、屋外の自然光を屋内に採り入れ、眩しくない間接光として利用することで、照明用の消費エネルギー量を減らす採光システム。ブラインドの羽根の角度を自動制御し、自然光を羽根で屋内天井へ反射させる仕組みとなっており、照明用エネルギー消費量及びCO2排出量を最大30%減らすことが可能。これまで課題であった、自然光に伴って室内へ入り込む日射熱が増えることで空調負荷が大きくなり、省エネ効果が小さくなってしまうという課題を制御用プログラムに新たなロジックを組み込むことで解決。この制御ロジックは、照明エネルギーと空調エネルギーをリアルタイムで解析計算し、エネルギー消費量及びCO2排出量の合計が常時最小となるように、ブラインドの羽根角度を自動制御する役割を果たす。
これによって同製品は、夏場の酷暑時にはブラインドを全閉して昼光利用を自動的に停止。日射熱を遮断して空調エネルギー消費とこれに伴うCO2排出量の増加を食い止める。また通常時には、自動的にブラインドを開いて昼光利用するといった制御も自動的に行う1。日分の省エネ性能としては真夏で30%から14%に落ち込んでいたものを約23%まで回復させることに成功している。