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<新環境事業>オギノ 産学連携で開発した楽々ガム取りアイテムとは 景観低下に繋がるガムのしみ効率よく取り除くアイディア
2008.12.01 15:14
街路の至るところで点々と目にする黒い染み、その正体をご存知だろうか。正体は噛んだ後、そのまま吐き捨てられホコリとゴミで黒く変色したガムである。一度へばりつくと剥がすのは容易ではなく、景観にも影響を与えてしまうやっかいな存在だ。
「以前アパレルショップを経営していたとき、店舗の前に捨てられたガムを踏んで嫌な気持ちになるお客さんの姿を目にしていました。クレームにも繋がりますし、ガムを踏んだ足で店舗に入られると、折角の大理石貼りの店舗内装が汚れてしまうという問題もありました。もう20年位前からガムを取り続けてきました」
そう語るのは、NPO法人環境まちづくりネット理事長であり、オギノ(東京都新宿区)代表取締役でもある荻野善昭氏。荻野氏は、自身がガムを取り続け環境美化に努めてきた経験から、効率よく道端のガムを取り除けるアイテムを発明した。それが「ガム取り番」と「ガム取り棒」である。
「ガム取り番」は、筑波大学と産学連携を行い開発したガム取り溶液で、人体や環境に悪影響を及ぼさないように有害な有機溶剤を使用していない。
「以前使用していた溶剤はアスファルトを溶液に浸すと3分で溶けてしまう危険性の高いものでした。そこで、筑波大学の協力のもと、人体にも環境にも有害ではない溶剤を開発したのです」
溶液を浸したガムを、棒の先のへらでこそげ落とすというこの「ガム取り番」と「ガム取り棒」を利用して、荻野氏は新宿区歌舞伎町や西池袋等で清掃ボランティア活動に参加しており、同NPOのホームページに実績を掲載し環境美化の啓発活動を行っている。