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三井住友建設 東北地方初の免震レトロフィット建築物 工事範囲を免震化フロアのみに限定
2009.04.13 11:54
三井住友建設(東京都新宿区)は、東北地方の官公庁では初めての免震レトロフィット構法を採用した「仙台第3地方合同庁舎耐震改修工事」における免震化工事を完了した。免震レトロフィット工事とは、既存建物の機能を維持しながら、執務空間への影響を最小限に抑え、耐震性を向上させるものである。
仙台第3地方合同庁舎は、昭和57年に竣工したSRC造、地上10階建てで、延床面積は約1万8000㎡である。同建物は大地震発生時における重要な情報発信を行う防災拠点としての機能を果たすため、高い耐震性能を求められていることから、今回免震レトロフィット構法による耐震改修が採用された。
同工事では、建物の地下1階の柱頭部分及びエレベータコア壁を切断し、計44基の積層ゴム免震装置を設置することによって建物の免震化が行われる。工事では柱切断時の軸力を仮受けする方法として鋼製治具を採用。その後、柱を切断して免震装置を設置し、治具から設置側に軸力を移行させている。これにより、下階での仮支柱の設置及び補強耕法などは不要となり、工事範囲を免震化フロアのみに限定させている。
三井住友建設では、基礎免震・中間階免震など、豊富な免震工事の実績を有しており、今後更に技術の高度化、高品質を追求し、事業者のニーズにこたえる営業展開をするとしている。