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三菱地所 丸の内パークビルディングが竣工 三菱一号館も当時の様子を再現

2009.05.04 12:07

 三菱地所(東京都千代田区)が、千代田区丸の内二丁目で開発を進めてきた「丸の内パークビルディング」「三菱一号館」が、4月30日に竣工した。
 同プロジェクトは敷地面積約1万1900㎡、容積率が1565%という条件下で、地上34階地下4階塔屋3階の規模(高さ約157m)の大型開発を行うもの。延床面積は、実に20万5000㎡となる。
 丸の内エリア最大級となる、約15万8000㎡のオフィスゾーンと、約1万8000㎡の商業ゾーンを擁する「丸の内パークビルディング」と、1894(明治27)年竣工の、丸の内最初のオフィスビルを忠実に再現した「三菱一号館」で構成される、大規模複合プロジェクトである。用途は事務所、店舗、美術館、地域冷暖房施設、駐車場等。低層部の「三菱一号館」部分は煉瓦組み積造となっており、赤煉瓦の風合いが明治浪漫の風景を創り出す。それというのも当時の設計図、実測図、保存部材等により可能な限り忠実に復元したもので、赤煉瓦約230個を当時と同じ製法で製造するなど、各種において「こだわり」を持って復元された結果である。
 2棟の施設に囲まれ内庭型に配置されている一号館広場は、多様な植栽や噴水等を設置するほか、明治期のデザインを復元したガス灯を設置するなど、憩いと潤いを提供する。
 オフィスゾーンには、新日本製鐵、三菱商事などが入居し、竣工時満室で稼働する。地下1階から地上4階の飲食・物販店舗、4階のフィットネスクラブから構成される商業ゾーンは今年9月3日グランドオープンする予定である。
 また、「三菱一号館」では平成22年4月に「三菱一号館美術館」が開館するが、これに先立ち今年9月3日より「竣工記念展」を開催する。
 同社は平成10年から丸の内再構築に取り組み、平成19年までの「第1ステージ」では東京駅周辺の活気と賑わいを創出した。平成20年からの10年間は「第2ステージ」と位置づけ、「拡がり」と「深まり」をテーマに大手町・丸の内・有楽町全域に効果を波及させていく。




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