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竹中工務店 日本最大の規模と能力有する耐火実験棟管制 太陽光発電など環境配慮技術多数導入

2009.08.31 15:58

 竹中工務店(大阪市中央区)は、創立110周年記念事業の一つとして建設を進めていた「新耐火実験棟」を、竹中技術研究所内(千葉県印西市)に完成させた。同施設は30メガニュートン(約3000t)の載荷能力と最大8時間の加熱が可能な耐火実験装置を備えた日本最大の規模と能力を有する耐火実験棟である。
 また、より高精度な性能確認による耐火性能設計を実現している。これは、室内の全ての可燃物が燃え尽きるまでの時間(火災継続時間)を計算し、それに耐えることができる耐火性能を持った柱・梁などを選定する設計法。その耐火設計には、実験による検証作業が必須となるが、一般的に行われている部材の縮小モデルでの検証実験では、実物大より必要以上に熱の影響を大きく受ける条件となるため、安全性を合理的に追求することが難しい。今回建設された耐火実験棟では、実物大レベルで耐火性能を評価するため、より高精度な性能確認が可能となっている。さらに、同社は日本最大級である30メガニュートンの載荷能力を活かし、柱や地下杭の強度を確認する等耐火の分野だけでなく建物の構造に関する研究開発にも活用するとしている。 
 そして、施設そのものにも様々な環境技術を導入しており、太陽光発電や風力発電、壁面緑化や雨水利用システムといった最新の環境配慮技術を多数導入。同社は今後建物使用時の環境負荷の検証を進めていくとしており、今回建設した新耐火実験棟が、安全・安心の建築空間を構築するというハード面、建物使用時の環境負荷評価というソフト面両方の技術開発に大きく貢献すると期待しているとの見解を示している。
 同実験棟の延床面積は1303・67m2。地上3階地下3階となっている。




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