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森ビル 生物多様性への取り組みで日本初の最高ランク取得 土地の高度利用で緑地や広場を整備
2009.12.07 17:31
森ビル(東京都港区)は、同社が中心となって進めている「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」について、生物多様性の保全や回復に資する取り組みを定量評価する認証のJHEP認証で、日本初となる最高ランク(AAA)を取得したと発表した。
この再開発事業は、国際性・文化性豊かな「大街区」における新たな複合機能拠点としてのまちづくりが進められており、「緑の生活都心」をコンセプトに掲げ、土地の高度利用により新たに生み出される空地を広場や緑地として整備し、潤いある都市空間の創出を目指し、開発段階から環境に配慮した様々な取り組みを行っている。
同社の発表によると、緑地計画作成にあたっては、現況調査や文献調査をもとに設定した在来種や潜在自然植生に配慮し、地域の自然の再生を目指したということである。都市の再開発における緑地計画に対し、生物多様性の観点を取り入れた手法(JHEP認証)を用いて評価する取り組みは、日本で初めての試みである。 評価にあたっては、権利変換計画が行われた平成21年を基準年とし、過去と将来50年を比較し生物多様性への貢献度を「総ハビタット価値」という値をもとに定量評価している。
同事業において得られる総ハビタット価値は37・6であり、これを計画前の数値と比較するとその差は26・6となる。これらの数値から、同計画が緑地の価値を大きく上回るものと分かり、今回のJHEP認証AAAランク取得に至ったということである。