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竹中工務店 三菱地所設計と共同で耐震補強新工法を開発
2009.12.28 15:50
建築物の内外観を変えない居ながら工法 歴史的な伝統建築の耐震補強に最適
竹中工務店(大阪市中央区)は、三菱地所設計(東京都千代田区)と共にレンガ造の建築物の外観や内観を変えずに、レンガ壁にプレストレスを導入して耐震補強工事を行う技術を日本で初めて開発し、ルネッサンス様式のレンガ造建物である清泉女子大学本館(東京都品川区)に適用した。
同技術はレンガ壁の他コンクリートブロック壁など、組積造の伝統建築の耐震補強に最適の工法である。
本技術の施工手順は、レンガ壁の上端から下端まで鉛直方向に貫通するように壁の内部を削孔し、貫通した穴にPC鋼棒を挿入、基礎部分のコンクリートに基礎配筋コンクリートを打設した後、PC鋼棒の下端を定着させ、PC鋼棒を締め付けてレンガ壁にプレストレスをかけるといった流れにより実施される。
プレストレスを導入することにより、各レンガ及び目地部を締め付けることができるため、地震時のレンガ壁の損壊を最小限に食い止めることが可能である。
同技術は、建物内部に工事の影響が及ばないため、建物を使用しながら工事ができる。
本工法を用いることで 歴史的価値が高い室内装飾が施されたレンガ造りの伝統建築にも、外観・内観を損ねずに、居ながらにしてレンガ壁の耐震補強工事を行えるという特長がある。
RC壁補強や鉄骨フレーム補強などの外付けの耐震工法に比べ、伝統建築の歴史的価値を守るのに適している。