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大成建設 循環型社会に貢献する次世代の環境配慮型解体工法
2010.03.01 10:27
大成建設(東京都新宿区)は、高さ100m以上の超高層建物における環境に配慮した新解体工法「テコレップシステム」を開発した。
近年、日本には700棟以上の超高層建物(100m以上)が建設されている。これらの建物は建設時における先端技術を結集し、長期使用を考慮して建設されているが、昨今の技術革新、要求性能の進化も著しく、今後は機能・性能の陳腐化などを理由に建て替えられる可能性がある。
同社が今回開発した新工法「テコレップシステム」では、既存屋根を有効利用し閉鎖された空間の中で、新築工事を巻戻し再生するように、内部の躯体・仕上げや設備機器を分解する。1フロア分解するごとに昇降装置が、システム全体を自動降下させる。分解したパーツは、クレーンで保護・荷下ろし再利用を図る。
同社はこのシステムを循環型社会に貢献する次世代の環境配慮型解体工法と位置づけている。解体工事におけるCO2排出量削減や省エネルギー化はもちろん、解体工事を「壊す」のではなく「分解・再生する」というコンセプトのもと、分解した部材を再利用・再使用する総合的な建築物の循環を考えるとしている。