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大林組 モルタルなどの素材において超高強度有する技術を開発 耐震性・耐久性の向上や長寿命化実現
2010.03.08 11:50
大林組(東京都港区)は、世界で初めて、モルタル、現場打設コンクリートおよびプレキャスト部材(PCa部材)の全てにおいて、150N/㎟の強度を有する超高層RC造建造物を実現するための技術を確立し、この度野村不動産(東京都新宿区)発注の地上52階建の超高層集合住宅で初めて採用することとなった。
近年の超高層集合住宅においては、フレキシブルな移住空間および構造物の耐震性・耐久性の確保から、超高強度コンクリートの採用が増大している。しかしながら、従来のモルタル材料では、PCa部材や現場打設コンクリートと同等の強度および充填性の確保が困難なため、部材強度と異なるモルタル強度に対して、実験や解析による特別な強度確認の検討を必要としていた。
同社では150N/㎟の超高強度を有するPCa部材と現場打設コンクリートを採用するにあたり、世界で初めて、接合部に使用するモルタルにも150N/㎟の強度を持たせている。これにより、強度確保の特別な検討が不要となる。また、柱本数の削減および柱断面の縮小、梁の代スパン化への対応等、設計の自由度を向上させるとともに、耐震性・耐久性の向上や長寿命化を実現することが可能となる。
使用するモルタルは、強度だけでなく、高い流動性を安定して確保するため、モルタルに使用する総ての材料において、最適なものを選定し、混和量を設定することにより、150N/㎟以上の強度を安定的に確保でき、かつ充填性を改善することが可能となっている。また、150N/㎟の強度を持ったモルタルは、柱目地だけではなく、鉄筋継手および主筋貫通孔への一体注入によって、集合住宅の長期軸力が大きい1階部分の柱梁仕口部に適用する予定となっている。