週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

大光ビルサービス 設備の故障を予知するシステムを開発 BEMSとして運用することも可能

2010.04.26 13:52

 総合ビル管理ならびにPM業務を展開する大光ビルサービス(東京都中央区)は、クレーム発生防止および管理業務の合理化によるコスト削減、省エネ対策などを目的として、ビル設備遠隔予知保全・エネルギー計測システム「DーARMS(ディー・アームス)」を開発した。
 「従来のビル管理では設備の老朽化によるトラブルを防止するために、早めの設備更新を実施することで予防保全を行ってきましたが、DーARMSは、各設備に温度センサや電流センサなどを取り付け常時監視することで機器の不調を感知し、故障時期を予測できます。これによってクレームを防止するだけでなく、不調部分だけを修理して機器を延命させるなどの対策で更新周期を長くできます。また、常駐管理の現場では条件にもよりますが、運転監視や設備点検の労力が軽減できるため作業人員の削減も可能です」(代表取締役 小川裕正氏)
 機器に取り付けたセンサからの情報は、使用エネルギー量を集計・分析するBEMSとしても活用可能。セントラル空調のエネルギー使用量をテナントごとに集計したり、データを分析することで無駄に使用しているエネルギーを削減するなど、改正された省エネ法への対応も容易になる。同社では省エネコンサルティングも同時に提供するという。
 「システムを販売して終わりというわけではなく、ビルの管理体制などを見直す事で、管理業務やエネルギー使用の合理化を図ります。これによってコスト削減が実現できますので、投資分を短期間で回収することも可能です」(小川氏)
 なお、同システムは既存ビルに導入することを前提として開発されており、センサなども1点数千円程度の低価格なものを使用することで導入コストを抑えた。また、システム管理もASP方式とすることで、汎用パソコンでどこからでも操作できる使い勝手の良いものになっている。




週刊不動産経営編集部  YouTube