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清水建設 ひび割れ抑制効果を付加 低収縮・高耐火・高強度コンクリート 実用化第一弾は新本社ビル
2010.06.21 11:05
清水建設(東京都港区)は高耐火・高強度のAFRコンクリートに、ひび割れ抑制性能を付加した「低収縮・高耐火・高強度コンクリート」の製造技術を確立した。
実用化の第一弾は、新本社の外観を特徴付けるPCフレーム(ハイブリッド外装システムの構造体部分)で、2階~17階までのPCフレームに採用される。
コンクリートは打設後に収縮する性質があり、何らかの原因で均一に収縮できなくなるとそこにひび割れが発生、美観や漏水抵抗性を損なうおそれがある。
新しく採用するPCフレームに使用される高耐火・高強度のAFRコンクリートは、合成繊維を混入した高強度コンクリート。合成繊維は火災時の熱で溶解・消失してコンクリートに微細な空洞をつくり、この空洞が表層の熱膨張力や内部で膨張した気体の圧力を緩和する役割を果たし、表層の剥離・飛散を防止することができる。
技術研究所で実施した実証実験では、在来とAFRの製造方法(合成繊維を0・11%混入)で1体ずつ、新本社の低層階用フレームと同じ設計基準強度の柱を製造し、載荷加熱を行った。在来の試験体は125分で破壊が確認されたが、AFRは所定の耐火性能を1時間上回る4時間耐火の試験にも合格した。