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東急不動産 「霞ヶ関東急ビル」竣工を発表
2010.12.13 17:51
都心の稀少な土地で最新鋭オフィスビル開発 自然の森を切り取ったような植栽計画を実施
東急不動産(東京都渋谷区)は11月29日、首相官邸や国会議事堂に程近い千代田区霞ヶ関三丁目にて開発を進めてきたオフィスビル「霞が関東急ビル」が竣工したと発表した。同物件の計画は、築30年を超えていた隣接する2棟のビルを同社が平成15年に取得。都心の希少な立地で土地の有効活用を図ったプロジェクトである。
「霞が関東急ビル」の規模は地上17階地下1階。敷地面積は1910・18㎡で、延床面積は1万9191・21㎡である。建物は地震のエネルギーを吸収するダンパーを備えた制震ブレースを採用。また、鋼管の中に高強度のコンクリートを充てんする鋼管柱を使用したCFT構造の採用により、きわめて高い耐震性の実現だけではなく、多彩なレイアウトが可能な無柱空間を実現している。
さらに、同ビルでは環境負荷軽減にも取り組んでおり、総合設計制度利用による公開空地には、低木から高木まで約1000本の植栽を配置。一般的な緑化は同種類の樹種による植栽計画になりがちであるが、同ビルでは自然の森の一部を切り取ったような植栽を計画し、植栽エリアには約40種の樹種を植えている。また、外構の一部には、水の気化熱冷却により路面温度の上昇を抑制する保水性舗装を採用している。
同ビルでは建物内の2~4階の3フロアを約30㎡~90㎡の小規模区画に分割して貸し出す「霞が関ビジネスセンター」を併設。大規模オフィスのスペックを備えつつ、小規模区画での利用が可能で、リーシングや入居後の運営は同社が直接手がけることとなる。