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ライフガードジャパン 被災地の仮設住宅へボランティア施工 本物の断熱フィルムで快適性が向上
2012.07.23 17:55
テロ対策用のガラス飛散防止フィルムをはじめ、米国ソルーシア社の高性能ガラスフィルムを多数展開するライフガードジャパン(横浜市西区)は今年4月、大震災で甚大な被害を受けた宮城県女川市の仮設住宅にボランティアでガラスフィルムを無料施工した。
「震災後に仮設住宅にガラスフィルムを無料施工した某業者がいました。そのフィルムは『断熱フィルム』を謳っていましたが、実際はくもり止めのフィルムで、断熱効果は皆無でした。被災地で効果の望めない物が出回っていることに我慢できず、本物の断熱フィルムの効果を知ってもらうためにボランティア施工を行ったのです」とは、同社営業部長の阿部氏。
施工当日は、同社とその代理店から15名が集結し、針浜仮設住宅20世帯、野々浜仮設住宅10世帯にトータル300㎡分の断熱フィルムを施工した。同社が施工したのは、夏は日射熱を70%軽減しながら、冬は屋外に逃げる遠赤外線の92%を反射させ、夏冬それぞれに効果を発揮する画期的な断熱フィルム。施工当日は4月に関わらず吹雪になり、かなりの冷え込みだったという。仮設住宅もプレハブ然とした簡素な造りのため、建物内は非常に冷え込んだが、フィルム施工後は居住快適性は大幅に向上したと、仮設住宅の利用者は驚いたという。
「女川の街に現存している建物は皆無で、遮蔽物がないため、海からの寒風が直撃します。そのため、冷え込みは例年以上だったと聞きました。また、東京では震災から1年が経過し、徐々に震災のことを忘れられつつあるように思えます。女川は山積みとなった瓦礫こそ撤去されましたが、建物がすべてなくなってしまった状態で、復興のメドすら立っていないのです」(阿部氏)
同社ではフィルムを施工した仮設住宅に定期的に訪れており、問題があれば東北の代理店が迅速に対応するような体制を整えている。
いまだ復興の見えない被災地に対して継続して支援することが重要だ。被災者にとって最も恐ろしいことは、震災のことが忘れられ、風化してしまうことに他ならない。同社は今後も継続して支援していくことを表明している。