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大成建設ハウジング 建て替えが難しい狭小エリアに最適 ビルに替わる小規模事業用物件の新機軸
2013.01.28 15:24
都市防災の観点から市街地における不燃化整備は喫緊の課題といえる。東京都では「木密地域不燃化10年プロジェクト」を施行し、防災都市づくり推進計画を促進しているが、人通りの多い駅前の狭小地に取り残された古い建物等、狭小地に立地するため工事が難しく、建て替えが進んでいないのが現状だ。
そうした中、大成建設グループのハウスメーカーである大成建設ハウジング(東京都新宿区)は、市街地や木密住宅密集地域を対象に建て替えを促進する「パルコン エステート」を開発。今月19日から販売を開始した。
同社が誇る住宅ブランド「パルコン」は昭和44年に販売して以来、災害に強いことから、主に住宅用途として普及してきたが、今回新発売したのは小規模事業用途専用となる。
「住宅用途+店舗用途の『パルコン ウィズ』は従来から販売してまいりましたが、都心部の駅周辺や幹線道路周辺には建て替えたくても建て替えられない狭小間口の敷地に建つ物件が意外に多く、耐震耐火建築物として都市機能の維持につながります」(営業推進部長 木村 伸二氏)
同製品の最大の特徴は耐久性の高さだ。地震・火災・風雨・重さ・劣化に強い壁式鉄筋コンクリート構造を採用。木村氏が「阪神・淡路大震災や東日本大震災等の震災でも建物の全半壊はゼロでした」と話すように、特に耐震性は目を見張るものがあり、地震による建物の変形が極めて少なく、建物の損傷も軽微に抑えることが可能だ。さらに耐火性能も秀でており、耐火実験では1000度の火に2時間以上耐えることが可能だ。隣家からの延焼を「パルコン」住宅が食い止めた事例もあり、延焼遮断帯としても活躍している。
また、プレキャストコンクリートパネルは工場生産のため、建築現場に運んで組み立てる工法を採用。作業時間を大幅に短縮することができるのも魅力だ。