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アドバンス 太陽光発電はビルで普及するのか
2013.01.28 15:21
昨年7月から始まった再生可能エネルギーの全量固定買取制度。太陽光をはじめとする再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を国が定める固定価格で一定期間、電気事業者に調達を義務付けるという制度であり、発電事業者が再生可能エネルギーで生まれた電気を電力会社に販売できる仕組みだ。買取価格は発電方法によってそれぞれ異なるが、太陽光発電の場合、1kWh当たり42円(税込み)、買取期間を20年間に設定され、これは当初の予想であった「30円台後半」を大きく上回る厚遇だ。ただ、年度毎に買取価格が見直されるため、来年度も42円の買取価格が継続するとは限らない。
「発電貯金」をキャッチフレーズに、事業用施設の屋根や駐車場、さらに更地等に産業用太陽光発電システムを提供しているアドバンス(東京都中央区)の尾高智明氏は、産業用太陽光発電の動向について次のように話す。
「当社は産業用に太陽光発電システムのコンサルティング事業を展開していますが、引き合いが多いのは広大な更地を利用した『発電貯金 野立パワー』です。その次が倉庫や工場の屋根を活用するケースですが、ビルに関してはほとんど普及していないと思います」
その理由は、ビルに太陽光発電を設置するスペースがないためだ。屋上に設置しても、隣接するビルの影響で屋上が日陰になるケースが多く、発電効率が悪い。さらに、突風でパネルが落下しないように設置架台を強固にする必要があり、その費用対効果や耐荷重の問題があり、広大な設置面積を誇り、遮蔽物の少ない工場や倉庫に比べて圧倒的に条件が悪いので、現時点ではビルに導入するのはメリットが少ないという。
同社のクライアントも広大な未利用地の所有者が多く、ビルオーナーからの引き合いはあっても設置シミュレーションを行うと、条件が合わずに取りやめるケースが多いという。ただ、太陽光発電を設置するメリットとして「グリーン投資減税」が挙げられ、「売電よりも、設備費用を全額経費として一括償却できる『グリーン投資減税』に魅力を感じ、太陽光発電を導入される事業者様も多いです」(尾高氏)