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フジワラ産業 数千人が避難できる地域の防災拠点に

2013.02.04 12:57

 地震・津波による巨大災害に備えた防災対策に早期から取り組み、津波避難タワーをはじめ、ビル、歩道橋、シェルターなど、地域の実情に見合った避難方法を開発してきた環境・防災設備機器メーカーのフジワラ産業(大阪市西区)が、前代未聞の大規模津波避難施設を開発した。
 同社の代表的な避難設備である津波避難タワーは地域に住む50人~600人規模を対象にしているのに対し、新しい大規模津波避難施設は地域住民だけでなく、偶然居合わせた大多数を収容できるように数百人~数千人規模の大施設となる。平時にはそのスペースを活用し、各種の設備や機器を兼ね備えた多目的施設として活用できる。
 この大規模津波避難施設は野球場や陸上競技場の数倍の広さの敷地に、予測されるであろう津波よりも高く盛り土をし、円形または楕円形の周囲を鉄板もしくはコンクリート壁で囲んで数千人収容できる避難場所を作るというもの。壁の内陸側に設置した開口路から外壁沿いに円周状に設置した進入路を駆け上って避難する。さらに進入路を大きく取ることで車両も同時に避難することが可能だ。また、進入路には2タイプあり、外壁に並行して設置する同心円(楕円)タイプとラセンタイプのどちらかを選択できる。
 津波の破壊力はもとより、漂流物が衝突することでさらに多大な破壊力を発揮するため、大規模施設の開設場所にもこだわっており、津波の押し寄せる海側と戻り波を受ける山側に頑丈なフロントガードとバックガードを設置する。さらに、外壁の両側にサイドガードを設けて外壁強度を大幅に向上させた。
 気になる施工価格だが、参考例として直径100mの円形施設をモデルケースとした場合、面積は7850㎡、収容人数は約4000人。費用は土地代等を含まずに約10億円。




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