週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

シェアカンパニー 独創的なシェアオフィスを企画・運営

2013.03.18 15:50

 ワークスタイルの多様化や雇用形態の変化が進む現在、オフィスに求めるニーズにも変化が生まれている。そうした中、オフィスの新たな形態として完全に定着したのがシェアオフィスだ。
 シェアハウスやシェアオフィスの運営事業を展開するシェアカンパニー(東京都新宿区)は平成21年の設立以来、現在まで累計600居室以上の施設を開設・運営する急成長企業である。
 同社が手掛ける施設の共通コンセプトは「シェア」。ハイクオリティの共有スペースを利用者同士が効率的に利用し、交流を広げていくことを最大の狙いにしている。同社は施設運営だけでなく、自社関連の設計・建築会社を持つため、すべてリノベーションで対応しているのも特徴だ。
 「今までとは違う仕事空間を求める方のニーズに応えるべく、高スペックかつ奇抜な物件を提供することを心がけています」(PM事業部事業部長 前川 佳美氏)
 同社が手掛けるのは基本的にシェアハウスが中心だが、物件の立地条件等を加味してシェアオフィスを手掛ける場合もある。これまで手掛けたシェアオフィスは3棟だが、どれもクセモノ揃いだ。
 同社が手掛けたシェアオフィス第一号物件は「チャリ千駄ヶ谷」だ。コンセプトはその名の通り「自転車通勤者のニーズに応えたシェアオフィス」であり、広大な駐輪スペースを完備するだけでなく、自転車通勤で汗をかく場合に備えてシャワー室を完備している。
 第二号物件の「THE FORUM 世田谷」は、経営学者の野田一夫氏の自宅だった日本家屋と庭園を活用したもの。野田氏が後進の育成を目的に始めた「FORUM」と呼ばれるサロンの現代版として機能している。
 また、今年2月には宿泊可能なコンシェルジュ付シェアオフィス「amphibia SHEARED OFFICE 新宿御苑」を築40年以上経過した古ビルにオープンさせた。スペックに期待できない分、新宿御苑の立地性を考慮し、宿泊可能な完全個室型シェアオフィスを提供した。
 「地方からの出張でビジネスホテルに宿泊するのはコスト負担が大きく、事務所機能も不足しています。ビジネスに集中できる空間を確保しながら、クライアントと打ち合わせができ、さらにそのまま宿泊できるホテルのようなオフィス空間を実現しました。書斎、ホテル、ネットワーク拠点など、様々な活用が可能です」(前川氏) 
 同施設はマスターリース形態で運営されており、長期間空室だった7階~11階に入居。7階~9階は完全個室のオフィス空間となり、打ち合わせスペース、キッチン空間、共用シャワー室など、生活に必要な設備はすべて完備。貸室も完全空間だ。10階のエントランスロビーにはコンシェルジュが常駐し、来客の取次ぎ等のサポートを行ってくれる。また、10階には8名用の会議室が2部屋、11階には新宿御苑を一望できる展望会議室も用意している。
 「施設名の『amphibia』とは両性類の意味で、オタマジャクシがカエルに成長するように、利用者様や時代のニーズに合わせて進化し続けることができる施設を目指しました」(前川氏)




週刊不動産経営編集部  YouTube