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寺岡ファシリティーズ 省スペース・省コストの駐輪システムが誕生 遊休地を活用し違法駐輪の解消に寄与する
2013.04.22 17:24
防災・環境性能に秀でた「サステナビリティビル」の概念が浸透してきた現在、都心部の新築ビルで駐輪場を設置するケースが増えつつあるが、従前の既存オフィスビルの場合、自転車通勤を前提にしておらず、違法駐輪の遠因となっている。街の景観を損ない、通行の邪魔になる放置自転車は社会問題だ。
日本屈指のオフィス街として知られる丸の内・大手町エリアで違法駐輪が話題になったのはごく最近のこと。より住宅街に近い駅周辺は推して知るべしだ。一方、違法駐輪を行う側にも言い分がある。駐輪スペースが不足しているという問題だ。
そうした背景から、駐輪システムを開発・販売する寺岡ファシリティーズ(札幌市中央区)は今年4月から、省スペース・省コストの「どこでも駐輪システム『チャリコ』」の販売を開始した。
同製品の最大の特徴は、そのコンパクトさだ。駐輪ラック4台と精算機1台が1セットで、大きさは幅2・3m×奥行き2・1m。敷地内の空地や、エントランスにも設置可能。
「駐車場を設置するには狭い、ちょっとした遊休地の有効活用として駐輪場を開設することができます。違法駐輪対策として社会性の高い取り組みでもあります」(取締役 事業部長 高桑 貴之氏)
従来型の駐輪場システムは規模が大きく、投資コストが莫大。薄利多売型の駐輪場ビジネスはスケールメリットが求められるため、開業に踏み切れなかった。一方、同システムはバッテリーが内蔵され、大掛かりな設置工事は不要。最短1日で設置が完了し、撤去も簡単。試用期間として1基のみ設置して稼働率を計るのも手だ。
「精算機は時間設定が可能で、将来的にはICカードとの連携も視野に入れています」(高桑氏)