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東京ビルヂング協会/日本ビルヂング経営センター 改訂版「オフィスビル標準賃貸借契約書」を逐条解説

2013.06.03 11:48

 東京ビルヂング協会(東京都千代田区)ならびに日本ビルヂング経営センター(東京都千代田区)は5月29日、千代田区霞が関の「新霞が関ビル」内「全社協・灘尾ホール」にて、「第1回東京ビル経営研究セミナー」を開催した。
 同セミナーのテーマは「オフィスビル標準賃貸借契約書について」。日本ビルヂング協会連合会(東京都千代田区)・東京ビルヂング協会・日本ビルヂング経営センターの共同で平成17年に初版が発行され、今年3月に改訂版が発行された「オフィスビル標準賃貸契約書(普通賃貸借契約版)」の逐条解説を行うもので、講師は改訂の指導を手掛けた山下・渡辺法律事務所(東京都千代田区)の渡辺晋弁護士が務めた。渡辺氏は「直近の関心事としては、民法改正について今年2月に法制審議会で中間試案が取りまとめられ、翌月11日付けで公表されました。中間試案では、敷金の定義を判例や一般的な理解を考慮した上で明確に条文化するなど、不動産実務において少なからず影響を及ぼす可能性のある内容が盛り込まれており、私たちが何を注意すべきか焦点が絞られたといえます」と述べた。
 「オフィスビル標準賃貸借契約書(普通賃貸借契約版)」は29の条項によって構成され、各条項の内容は以下の通りである。
 この中で、改訂版では昨今の反社会的勢力の排除に向けて法整備が進んでいることを反映し、第11条を反社会的勢力の排除についての条項とし、この他、第12条3項は登記事項変更時の対処、第13条4項及び5項は譲渡時の対処、第22条2項は契約の解除についての項目となっている。
 渡辺氏は「不動産に限らず、かつての日本の経済活動においては、社会や人々に悪影響を及ぼすことがなければ、反社会的勢力も取引に参画することが黙認されてきました。しかし、現在では反社会的勢力の存在自体が社会の平和を害する恐れがあるという認識のもと、平成4年には暴力団対策法が施行され、その後も各地方自治体で独自の暴力団排除条例を制定し、平成23年10月までにすべての都道府県で条例が制定・施行されました。暴力団排除条例では、不動産の賃貸人に対して『契約しない義務』、『契約締結前の確認の努力義務』、『契約のおける明文化の努力義務』、『解除の努力義務』の4点をそれぞれ責務として定めています。仮に上記の責務を履行しなかった場合、事業者名が公表される可能性もあり、契約書の段階から反社会的勢力との断絶に努め、もしもの場合には警察等の関係機関に相談することが重要です」と述べている。

第1条 賃貸借の目的物
第2条 使用目的
第3条 契約期間・契約の更新
第4条 賃料
第5条 共益費
第6条 賃料の改訂
第7条 共益費の改訂
第8条 敷金
第9条 賃料及び共益費以外の費用の負担
第10条 債務延滞損害金
第11条 反社会的勢力の排除
第12条 登記事項の変更等、反社会的勢力の排除
第13条 賃貸借の譲渡等の禁止、反社会的勢力の排除
第14条 善管注意義務
第15条 管理規則の遵守
第16条 損害賠償責任
第17条 諸造作、設備工事等
第18条 修繕
第19条 立入り、点検等
第20条 免責
第21条 契約期間内の解約禁止
第22条 契約の解除
第23条 本建物の減失等による本契約の終了
第24条 明渡し
第25条 連帯保証人
第26条 守秘義務
第27条 合意管轄
第28条 準拠法
第29条 信義則




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