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システム空調 空調機の効率を向上させて電気代を削減
2013.08.12 15:55
全国各地で35度を超える猛暑日が続いているため、エアコンを稼働しても部屋が冷えず、設定温度を下げてしまっている場合もあるのではないか。ただ、電気代がかさむため、出来れば設定温度を下げることは避けたいケースだといえるだろう。
システム空調(茨城県土浦市)は空調機と換気機器を使い、様々な設備を考案。風呂の熱い湯とぬるい湯をかき混ぜることで温度差がなくなるように、室内の暖かい空気と冷たい空気を混ぜ合わせれば室内温度が均一になるといった性質を用いて、同社が開発したのは分ダクトファン「風太郎」である。
「風太郎」は室内の空気を混ぜるためのファンが付いており、ファンによって空調からの風を室内に送り込むと同時に、天井面の暖かい空気を吸い込み、それをミキシングして再度、送り込むことにより空気を循環させ、快適な室内環境を作ることが可能だという。また、エアコンの稼働時間・設備台数が抑えられて電気代を節約できるほか、施工は既存のエアコンの吹出口に設置するだけなのでリーズナブルかつ短工期を実現している。さらに、部屋の増築により新規に空調設備が必要になった場合、「風太郎」は柔軟に設備を拡張することができるため、新規のエアコンの導入費を抑えることが可能となっている。なお、分ダクトファンの一般家庭にある扇風機の電気代のおよそ4分の1から3分の4しか掛からないとのこと。
これまでサービスエリア、ファミリーレストランなどに採用されており、あるユーザーからはガス式ヒートポンプエアコンを電気式ヒートポンプエアコンへの変更を検討するものの変圧設備の導入により多額の設備投資が必要なため断念していたが、「風太郎」を使えば現状の電気容量(低圧受電)のままランニングコストの軽減を実現している。
「平成22年1月に設立したばかりの会社ですが、空調および換気設備においては30年のキャリアを生かした省エネ対策を通して、国内だけではなく海外へも進出を考えており、社会に貢献出来る会社作りを目指し、今後ますます努力していく所存です」(代表取締役 石本 和夫氏)