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YKK AP 建築現場の安全性が大幅に向上 新たなサッシ施工手法「非溶接工法」
2013.10.21 14:18
大手窓サッシメーカーのYKK AP(東京都千代田区)が開発した「非溶接工法」が好調だ。平成23年1月から事業を開始して以来、順調に施工数を伸ばし、現在まで約450件に採用されている。
従前のサッシ施工方法は「溶接+モルタル詰め」による湿式工法が主流だったが、溶接用の電源を確保しなくてはならなかった。さらに、溶接による火災の危険性のみならず、雨天時の無理な施工による感電の危険性、溶接光・金属煙による健康被害など、危険性が非常に高く、施工済みのガラスを誤って焼いてしまったり、燃えやすい断熱材に引火する可能性も拭えなかった。そうした従来型の溶接工法の欠点を解消したのが「非溶接工法」である。
同工法は粘性のある樹脂剤でアンカー部分を覆い、樹脂剤が硬化することによってサッシ本体を固定するもの。躯体とサッシ本体の間に打ち込んだ打鋲と専用アンカーを組み合わせて、樹脂剤を注入する。従来型の溶接工法の場合は、熟練工の技術に頼る部分が大きいが、同工法の場合は一定程度の研修を受ければ施工可能。人材育成に関する労力を大きく削減することができる。また、溶接が不要になるため、作業時に電源を使用することがなく、安全性は格段に向上。天候によって作業を中断することもない。建設現場の安全性向上に大きく寄与する工法といえそうだ。