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東京都 アジアヘッドクォーター特区にカナダ企業の誘致決定

2013.11.04 17:05

 東京都は10月30日、「アジアヘッドクォーター特区」における外国企業の誘致活動において、人工知能技術を応用した音声認識技術を提供するカナダの「Voice Enabling System Technology Inc.(ベステック社)」の研究開発拠点の誘致に成功したことを発表した。
 「アジアヘッドクォーター特区」は、「2020年の東京」へのアクションプログラムにおいて、「産業力と都市の魅力を高め、東京を新たな成長軌道に乗せる」、「東京の発展を支える産業の育成により、アジアNo.1のビジネス拠点を形成する」という目標・施策を指定し、重点的に実施している事業である。東京都が新たな外国企業誘致プロジェクトを実施するエリアを特区とし、平成28年度までにアジア地域の業務統括拠点・研究開発拠点となる企業50社を含む外国企業500社以上を誘致することを目標としている。
 今回、特区への誘致が決まったベステック社は、カナダ・ウォータールー大学の研究開発グループが設立した企業で、通常の話し言葉を聞き返しも行いながら高い精度で理解できる音声認識技術を世界19言語で提供している。同社は、高齢化が進む日本に、タッチパネル・リモコンボタン等の複雑な操作を簡略化できる音声認識技術の需要拡大が見込まれること、製品開発の提携先企業が集積していること等から、日本での事業展開を検討していた。そうした中で、東京都が提供するコンサルティング支援を通じて、日本でのビジネスパートナーの提携を推進して、特区内に研究開発拠点を設立することとなった。設立される研究開発拠点では幅広い利用者を想定した世界最先端の音声認識技術を組み込んだ住宅設備や情報機器、家電、自動車関連機器等の研究開発を日本企業とともに行い、製品の世界展開を目指す予定。なお、同案件はアジア地域の業務統括拠点・研究開発拠点となる外国企業の2番目の誘致案件となる。




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