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シュナイダーエレクトリック 多彩な製品群で効率的なサーバールーム構築に貢献 医療施設のIT環境刷新に寄与
2013.12.23 17:07
エネルギーマネジメント事業を展開するシュナイダーエレクトリック(東京都港区)では、愛知県西部に位置し、三重県北部地域を含めた広域の高度医療を支える基幹病院である「愛知県厚生農業協同組合連合会 海南病院」の、高度救急救命センターの開設を含めた大型改築工事に伴うサーバールームの刷新において、同社の製品群が多数導入され、効率的なサーバールーム構築に貢献している。
平成23年度から高度医療の実現を目指し、大規模改修を進める同病院では平成25年に同地域初の高度救命救急センターの稼働を開始した。それに伴い、院内のITシステムを支えるサーバールームの大幅刷新を実施することになった。従前のサーバールームはシステムごとに必要な機器やラックを導入してきたため、サーバールーム内には数多くのベンダーのラックが乱立し、システムに付随する小型UPSも数多く設置されていたため、電導効率の低さや管理性の悪さが課題となっていた。さらに、床下に配線を通すためにフリーアクセスを設置していたが、サーバーラックは非常に重く、床に対して大きな負担となっていた。
こうした課題解決を含め、従来のシステムや運用環境を見直し、効率的なサーバールームに改修するために選ばれたのが同社のUPS、ラックシステム、空調機、統合監視・管理等の製品群だ。
新サーバールームには、同社のラックシステム「NetShelter SX」と空調機「InRow RC」を組み合わせ、ホットアイルの熱を閉じ込める「HACS」を導入した。空調機「InRow RC」はラック列に設置される水冷式冷却システムで、熱源のサーバー機器の近くで冷却するため、据え置き型の全体空調に比べて高い冷却効率を誇る。また、ラック列に天井を持つ「HACS」は、配線をラック上にまとめることができ、フリーアクセスの設置も不要で、大きな荷重に耐える床を構築することが可能になった。
もうひとつの刷新の柱となった電源の再構築においては、システムごとの小型UPSを集約する「Symmetra PX」を中心に効率化を図っている。小型UPSをシステム毎に導入していたため、バッテリー交換の時期も揃わず、個別での管理が必要だったが、管理ポイントや障害ポイントの大幅削減が可能になった。また、「Symmetra PX 40kVA/40kW」を2台組み合わせ、80kVAの電源容量を確保。これを2セット用意することで観戦に冗長化された2系統の電源を用意し、どの部分に障害が発生してもシステムの動作を止めない環境を実現している。